大腸ポリープ切除

がん化のリスクもある大腸ポリープを検査と同時に切除することもできる大腸内視鏡検査が、大腸がんを予防的に治療するための手段として注目を集めています。当院では、この大腸ポリープ切除を日帰りにて行っております。

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは大腸の粘膜の一部が隆起したイボ状のできもののことで、このポリープの発生が多くの大腸がんを引き起こす要因だとされています。
今や大腸がんは早期に発見できれば治療が可能な病気になっていますが、そのために重要なのが大腸がんの要因である大腸ポリープを早期に発見することです。

大腸ポリープの症状

ほとんどの大腸ポリープは自覚症状に乏しく、がん検診の便潜血テストで陽性反応が出たことをきっかけに初めて発見されるようなケースも少なくありません。そのため、早期発見には定期的に検診を受けることが大切になります。
また、ポリープのサイズが大きくなると血便や腹痛、下痢、便秘などの症状を自覚するようになることもありますが、同じく血便の出やすい痔のような別の疾患と勘違いすることのないよう、しっかりと医師の診断を受けることが大切です。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープは40代以上で発生しやすい他、大腸ポリープや大腸がんの既往歴を持つ家族がいる場合にも発生しやすいとされています。また、食生活の乱れや過度の飲酒、喫煙といった不健康な生活習慣も発生に影響をおよぼすと考えられています。

大腸ポリープから大腸がんへ

大腸ポリープには大きく分けて良性のものと悪性のものがあります。では、このうち大腸がんである悪性のポリープだけを治療すればいいのかというと、そうではありません。なぜなら、良性のポリープでも放置すると将来がんに変化する可能性があるからです。
そのため、大腸ポリープが見つかった場合には、良性か悪性かにかかわらず切除することが必要になります。そのために行う検査が大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。大腸ポリープを定期的に治療することにより大腸癌での死亡率を70%低下させることができ、予防効果の高い対がん対策の検査が大腸内視鏡検査であると認識しております。

大腸がん予防のために

良性の大腸ポリープでもがんに変化する可能性を見据えて切除することで、将来大腸がんにかかるリスクが大きく軽減されます。また、悪性の状態で発見された場合でも、ポリープの段階なら早期がんであることがほとんどなので、ほぼ治癒することが可能です。
したがって、大腸がんの予防において重要なのは大腸ポリープの早期発見と切除であり、そのためには定期的に便潜血検査や大腸内視鏡検査を受けることが大切になります。中には便潜血検査が陰性だったのに大腸内視鏡検査でポリープやがんが見つかったケースもあるので、一般的にはどなたでも40歳を過ぎたら大腸内視鏡検査を受けた方がいいといわれています。

大腸内視鏡検査によるポリープ切除

大腸内視鏡検査では、肛門から挿入した内視鏡で大腸の内部を実際の映像として観察することで、大腸ポリープの有無を調べていきます。また、内視鏡は組織を採取・切除する機能も備えているので、観察中にポリープが見つかったら、基本的にはその場で切除も行うことになります。大腸の粘膜には知覚神経がなく、切除時に痛みを感じることはほとんどないので、開腹手術に比べて身体的負担が格段に少なく済む方法といえます。
実際の切除にあたっては、ポリープの大きさや形、性質などによって切除の方法が異なります。具体的には、小さめのポリープ切除に適した内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)、確実に取り切りたい場合に周囲の粘膜まで広めの範囲を切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR/Endoscopic Mucosal Resection)、大きめのポリープ切除に適した内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD/Endoscopic Submucosal Dissection)といった方法が知られています。
なお、一般的に大腸ポリープ切除は大腸の粘膜層でとどまっている早期がんには効果が期待できますが、発見時点で粘膜層を越えた深い位置にまでがんがおよんでいた場合など効果が期待できないケースに対しては、切除を行わずに改めて別の治療方法を検討する場合もあります。

大腸ポリープ切除を日帰りで

当院では大腸ポリープ切除を、その日のうちに帰宅できる日帰りで行っております。日帰りで行うことのメリットには、以下のようなものがあります。

  • その日のうちに帰宅できるので、日常生活への支障が少ない
  • 入院のわずらわしさを感じることなく、慣れ親しんだ自宅で休養できる
  • 外来での治療になるので、入院するよりも医療費が安く済む

一方、日帰りでは治療後の合併症などに対する配慮がより大切になります。これについて、当院の内視鏡治療は全て経験豊富な医師・スタッフが担当し、治療後の合併症に対しても万全なバックアップ体制を敷いております。また、大腸ポリープの切除時に特殊な器具でポリープの茎部を縛って切除後の出血などの合併症をなるべく少なくする工夫をするとともに、止血処置を十分に行うことで、ほとんどの症例で入院する必要がなくなりました。

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