症例集

微小胃がん症例

人間ドック胃表面は粘液で覆われています。前処置を何もしない状態であれば胃炎や泡状になった胃液で粘膜は隠れてよく観察できません。この写真の観察状態では胃がんを指摘することはできません。
人間ドック胃粘膜の背景は腸上皮化生が目立ち萎縮性胃炎が強い粘膜で胃がん発生のハイリスクです。水でよく洗浄していると粘膜面があらわになりました。そのうち、あれ、なにかあるぞと認識した直後の写真です。粘膜の光沢の反射が他と違う部位があります。
人間ドック前写真の近接像です。見えにくて申し訳ありませんが、〇で囲まれたところにやや発赤した隆起性の病変があります。

色素法で胃がんを発見するインジゴカルミンという色素を粘膜に噴霧します。通常粘膜と病変をコントラストよく区別することができます。病変が浮かび上がってきました。

大きさ10㎜ほどの胃がん病変は約10㎜ほどの大きさです。色素法ではインジゴカルミンをはじいて病変がより浮き出てきているのがわかります。一部の細胞を採取し顕微鏡検査で検索したところ、胃がん(分化型腺癌)と判明しました。非常に小さく、潰瘍の跡もみられないことより内視鏡的粘膜下層剥離術(内視鏡下手術)が行われました。このように小さな癌の段階で発見できれば、胃を切除することなく治療が完結します。

ピロリ菌感染している胃炎写真

粘液がとれない慢性胃炎胃体部を撮影した写真です。胃粘膜は襞(ひだ)で凹凸のある状態です。粘膜は発赤が浮腫がむくんでいます。いわゆる慢性胃炎の所見です。この方はのちに行った組織検査で「ヘリコバクター・ピロリ菌」が感染している胃であることが判明しています。
人間ドック胃体部大弯の襞(ひだ)は腫脹して浮腫傾向です。発赤もみられています。写真には洗ってもとれない粘調度の高い粘液が付着しています。このような粘液ねっとりとしたこのような所見では高い確率でピロリ菌が感染している胃炎であると思われます。
胃がんの範囲胃カメラを胃内で反転させ見上げているところです。体部小弯部を観察しています。慢性胃炎は進むと萎縮が進み萎縮性胃炎と呼ばれます。この症例でも萎縮が進んだ粘膜が観察されました。
色素法で胃がんを発見するインジゴカルミンという色素を胃角部小弯粘膜に噴霧しました。より凹凸の目立つ粘膜が観察されます。病変部は一見陥凹した不整粘膜のように見えますが、胃がんではありません。腸上皮化生とよばれる粘膜に変化しています。このような粘膜は胃がん発生の母地になると言われて、検査の際には小さな胃がんがないか特に注意して観察するようにしています。
十二指腸潰瘍瘢痕十二指腸の写真です。以前潰瘍をおこし、その治癒過程で十二指腸球部が変形して観察されます。潰瘍瘢痕像ですが、まだ発赤がみられ炎症が持続していることが観察されます。十二指腸潰瘍患者の90%以上にピロリ菌感染していることが明らかになっています。以上、内視鏡検査のみでピロリ菌の有無を判定することがある程度できるようになりました。

大きな大腸ポリープの切除手順

人間ドック大腸検査中にポリープを発見しました。大きさが20数ミリのポリープを認めます。後で示します通り表面はIIIL pitからIV型pitで不整配列なく無構造所見もなく悪性の合併は否定的です。
人間ドックポリープの茎にあたる部分がやや太く、緊満感があります。このようなポリープは切った瞬間に拍動性の出血を起こすこと多く、通常の切除では合併症を引き起こす可能性が高いと判断しました。
洗浄機留置スネアという茎をしばることができる処置具(青色の輪)を使用することにしました。この処置をおこなうことにより切除後に出血させないようにすることができます。
洗浄機青色の輪を茎にかけます。簡単そうですが内視鏡先端の微妙なポジショニングが必要なため、意外と時間がかかります。スタッフと息の合ったところの見せどころです。
洗浄機留置スネア(青色の輪)を除々に締めていきます。
洗浄機留置スネアを完全に締めつけた状態です。締め付けすぎると切れてしまい、締めつけ方が足りないと切除後に出血することになります。医師、スタッフが最も緊張する瞬間です。締められたポリープは血液が流れなくなり除々に色が褪色していきます。
洗浄機留置スネアでかけた茎の遠位部分にスネア(金属製の電流が通る部分です)をかけます。微妙な位置調整が必要です。
洗浄機金属製スネア(高周波スネア)に電流を流して切除します。これも通電が長いと腸管への損傷が強くなり穿孔(腸に穴があき緊急手術の対象になる)が起こり、通電が短いと生切り(通電が不十分で出血の原因になりうる)の原因となります。経験の積み重ねが必要です。
洗浄機写真のように留置スネアが体内に残存し血管を締め付けた状態にしたまま終了します。最後に余分な輪をカッターでカットして大腸カメラを抜去します。以上の過程は検査開始から10~15分です。写真の処置具は約2週間で肛門から排出されますが、出る瞬間を自覚する方はほとんどいないようです。

平坦なポリープの粘膜切除

EMRの写真大腸粘膜ひだの上にポリープがあります。気をつけないと見逃す恐れがあります。
EMRの写真空気を入れて粘膜を伸展させると平坦なポリープであることが分かります。青色に変化しているのは色素を撒布しているためです。表面構造より癌ではないポリープと診断できます。このようなポリープは上記のようなやり方では切除できません。
EMRの写真平坦なポリープを切除するには、注射針を使って病変の粘膜下に生理食塩水を注入していき、わざと膨隆させます。
EMRの写真粘膜下に生理食塩水を注入して病変部を膨隆させたところです。針の長さにも微妙な調整が必要です。この前処置を施すことにより、後で示すスネア(金属製の輪)を病変に大きくかけることが可能となります。
EMRの写真病変部を把持できるスネアのサイズを選択します。粘膜下に生理食塩水を注入することは高周波切除(電気メスによる切除)での粘膜損傷(穿孔)のリスクが少なくなり合併症を回避することにも役立ちます。
EMRの写真スネアを病変部にかけ、除々に輪を絞っていき、いよいよ通電し焼き切ります。
EMRの写真高周波切除(電気メス切除)が完了しました。ほとんど出血していません。
EMRの写真写真のような金属製のホッチキス様器具「クリップ」を病変にかけます。
EMRの写真複数個のクリップで切除部分を縫縮したところです。このような処置を行うことにより術後の出血を抑えることができます。
EMRの写真切除した病変部を体外に取り出したところです。この切片を顕微鏡検査にかけ細胞レベルで癌細胞を検出しないか確認します。
EMRの写真病変切除半年後の像です。きれいに瘢痕治癒していることが確認されます。
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